列車にて

ベナレスからカルカッタへは二等の寝台で向かった。
周りの人から、荷物をよく見ておくように何度も言われた。
駅に着くたびに、窓越しにチャーイを売る人、駅弁を売る人、
サンダル(?)を売る人が声を張り上げる。
かつて私が小さかった頃、日本の鉄道もこんなだったと想い出す。
車内では、子供の乞食が私の足にしがみつく。
少なくとも、現在の東京ではほとんど見られない、
人と人のぶつかり合いである。